10月 262011
 

昨夜、環八沿いの本屋のガラスケースで見つけたバイクのモデル。

妙にサイケな色使い、ちょっと奇妙な形をしたこのバイク、「Britten V1000」といいます。

一時期とても憧れていたバイクだったので、見つけた瞬間ちょっと心臓がバクバク。

「これ、欲しい~!!」

でも売物ではありませんでした。がくっ。

そんな訳でモノは手に入らなかったけど、久しぶりに出会ったBritten V1000、どんなバイクだったのか、思いで話でも…

「Britten V1000」はニュージーランドのBritten氏が一人で設計し、タイヤ・ギア・電装品を除いた”ほぼ全ての部品”(ホイール、エンジン、ピストンさえも!)を自作して創り上げたV型2気筒1000ccのレーシングバイク。アメリカ・デイトナで開催される二輪レース”Battle of Twins”で、大企業のファクトリーレーサーを相手に勝利し、世界中を驚かせた伝説のバイクです。

見た目もそうですが、エンジニアリングとても独創的で、主な特徴を挙げると、

  1. シャーシ、フレームというものが無い。エンジンがフレームの役目を果たす ⇒ 軽量化に繋がる
  2. ラジエターはシート下に水平に置かれる ⇒ 前にラジエターが無いので空気抵抗が少ない、車体をスリムに出来る
  3. フロントサスはカーボン製のガーダーフォーク
  4. リアサスペンションはリンクを介してエンジン前側に置かれる
  5. V型2気筒のシリンダーは前後バンクが一体型でクランクケースの上で分割される(文章だと判りづらい・・一般的なバイクエンジンの構造を知る人ならビックリすると思います) ⇒ エンジンの剛性アップ

このうち1.2.は現代の二輪レースの最高峰、MotoGPを走るバイクでは当たり前の構造です。それを20年も前に実践していたバイクなんですね。

Britten氏は二輪のエンスージアストではあるけど、本業は家具の部品を製作するエンジニアです。メーカーでバイクの設計を経験した人ではありません。だから既成概念に囚われない自由な発想で、自ら”正しい”と信じたエンジニアリングにトライ出来たのでしょう。そんな個人のプロジェクトで製作されたバイクが、ファクトリーレーサーを打ち負かす。

痛快じゃないですか?

このバイクが活躍していたのはインターネットが普及する以前のこと。海外の、しかもこんなニッチなバイクの情報は滅多に入ってきません。だからBrittenの情報が載ったバイク雑誌を見つけたら(たとえ小さな記事でも)買ってましたね。

デイトナのバンクに吸いつくV1000の姿を、小さな写真と文章からイメージ最大限に膨らませて読み漁ったもんです。実際のV1000のエンジン音や走る姿も見たのは、相当後になってからでした。

そのうち、Britten V1000ベースの市販車プロジェクトが開始されたとの記事が。ストリートを走れるBritten V1000が発売されたら欲しい!! でも高いんだろうな〜、つーかアレにヘッドライトとか付けたらカッコ悪くない? な~んて、勝手にワクワクして妄想していた矢先

Britten氏、45歳の若さで突然の死去……むちゃむちゃショックでした。立ち読みしていた本屋で大声を出しちゃいましたもの。

突如生みの親を失ったV1000。市販化プロジェクトは中止、以後V1000がレースの舞台に戻ることも、ありませんでした。まさに活躍のピークで活動中止です。彼自身の無念と、彼を支えた仲間たちの落胆を想像すると目頭が熱くなります。

V1000の活躍は、彼が短命だったゆえの神様のご褒美だったのでしょうか… 短命ゆえ彼の才能は凝縮して爆発したのでしょうか…でも神様、もう少しだけ彼に時間を与えてくれても良かったじゃないですか、、、残酷です。

Britten氏は、映画「世界最速のインディアン」で映画化されたバイク馬鹿、バート・マンロー氏と同じぐらい、NZでは英雄として讃えられているそうです。NZってそんなヤツばっかなのかな?

ちなみにBritten V1000の総生産台数はたった16台。そのうち1台は母国NZの博物館に飾られています。いつか実車を見に行きたいな~。

以上、思い入れたっぷりの長文、お付き合いいただきありがとうございました(笑)

(2014.5.1 追記)

そんなBrittenの貴重な映像が見れるエントリーを追加しました!

One Man’s Dream – The Britten Bike Story


  15 Responses to “Britten V1000 に再会した夜”

  1. はじめまして。
    とつぜんブリッテンを思い出し、ここにたどり着きました。
    私も筑波で実物と走りを見ました。
    その時は興奮しましたねー。
    スプリングスティーンもいたし。
    あのころのBOTTは凄かったです。
    で、ついにはニュージーランドに注文してTシャツを手に入れましたが、ちょっと大きすぎてしまい
    仕舞い込んでいるうちに黄ばんでしまいました。
    なつかいし思い出です。

    • おじさん殿、こんばんわ。またブリッテン好きが引っ掛かりました(笑)
      実車の走りを見られたんですね、羨ましい限り。
      その頃、僕は北海道に住んでいたので、雑誌でしか情報が得られませんでした。
      ブリッテンのようなセクシーで速いバイクが登場してませんよね〜。誰かレプリカ作ってくれないかした。

      たいしたネタはありませんが、たまに覗きに来て下さいね〜

  2. brittenで検索をかけたら、気になってのぞいてみました。
    2年前に、NZに出かけ、テパパ博物館(ウエリントン)にブリッテンをみにいき、昔の事務所(クライストチャーチ)を訪れたら、ギャラリーになっていて4台のブリッテンを見ることができ、合計5台のブリッテンを見ることができました。(旅の目的はブリッテンと動物)

    事務所の担当の女性に、いかにブリッテン氏を尊敬しているかを語ったところ、『これにはまたがっていいわよ!写真とってあげるわ(V1000の初期型)』といわれ、有頂天になったことを覚えています。いまでも、その写真は宝物です。
    ブリッテン氏に関するものが数多く展示されていましたが、オリジナルのカーボンのホイールや、試作のみで終わった単気筒エンジンも展示されており、感動の連続でした。

    今は、昨年の地震のために、大聖堂の近くは立ち入り禁止エリアのようですし、NZのブリッテンDVDを購入した際に、ギャラリーのことを尋ねたところ、車両は無事だそうで、すでにほかの場所に移動したとのことでした。
    いつになったら、以前のようにギャラリーが再開するのか、心配です。

    いつか、テパパ博物館に行けるとよいですね。

    • BRITTEN FANさん、こんにちわ。
      blog書いてみるもんですね、スゴイ人が捕まりました…
      本物のV1000にまたがった事があるひとが日本にいるなんて、すごい、すごすぎます!
      その体験と写真は一生のお宝ですね~羨ましい!

      恥ずかしながら、地震の影響の事を想像してませんでした。そうですよねぇ、NZ・・・
      でも貴重な車体が無事で良かった。
      お互い、いつか博物館が再会することを祈りましょう!

      • こんばんは。最新のバイク雑誌に載っているドゥカティのニューモデルの記事を見て、モノコックフレームなんかブリッテンの真似だーと思って、昔集めた雑誌のスクラップを読み返していました。ついでに何かないかとネットで検索したら、ここにたどりつきました。
        実は私、ブリッテンのビデオの映像の中でジョン・ブリッテン氏にサインをしてもらってガッツポーズをしている者です。今はDVDになってるみたいですが、PALのみなので購入を見合わせてますが、DVDだと画質はいいんですよね?

        ちなみに、1998年の筑波BOTTのビデオにカスティーン夫人とツーショットの写真を撮ってもらっている男性のシーンがありますが、あれも私です。

        でも、まだ実車にまたがったことがないんですよね。うらやましい。12年前にクライストチャーチに旅行に行きましたが、大聖堂裏のショップでグッズを大人買いをしただけです。店員さんに夫人との写真を渡してくれるよう頼んだのですが、ちゃんと渡っているかが気にかかってます。

        そういえば、世界最速のインディアンの撮影に使ったマシンは、筑波にも来たブリッテンのスタッフのアレクサンダー氏が製作したそうですね。

        • impersさま、take4さま

          ブリッテンのお好きな方が、こんなにいらっしゃることがわかって嬉しい限りです。

          take4さま
          私、ビデオもDVDも”John Britten Story(洋書)”も持っておりますが、あの映像が貴方だったのですね!デイトナで本人に会ってサインをもらっただなんて、うらやましい!
          筑波に来たときのことは、私は全然知らなかったのです・・・残念無念です。
          DVDはPALですが、パソコンでは問題なくみれますよ。というより何も気にせず購入してました。確かに、DVDプレイヤーでは却下されました。わかりにくい”キウイイングリッシュ”はそのままです(当たり前か)。映像の鮮明さは、ビデオとかわらないような・・・。
          このDVDも、ギャラリーには置いてなくて、担当の女性が『著作権問題があるのに勝手に販売された』と激怒してたので、NZでは買いそびれてしまったのです。この方、バイクには疎かったのですが、ブリッテン氏のことは尊敬していて、私と話が合いました。だから、またがらせてくれたんでしょうね。

          impersさま take4さま

          私もずいぶん前からブリッテンが好きで、多分、最初はライダースクラブの記事かな?
          エンジン全バラの写真が載っていた号です。今は、スクラップ記事にして、そこだけとってあります。いつかは、本物を見るんだ!と決めて、2年前にNZを北島と南島とめぐってきました。ギャラリーの事もまったく知らずに行ったのですが、本当にラッキーでした。
          見れたのは、エアロワンと、ポールルイスが乗った、まだテレスコピックサスのV1000、
          完成型のV1000の初期と後期。それと博物館の展示車の計5台です。

          それに・・・と話し始めると止まりませんのでこの辺でやめましょう。

          いつか、井戸端会議『ジョンブリッテンを語る会』でもやりたいですね。
          ちなみに私は静岡県在住です。長文、駄文失礼いたしました。

        • take4さん、こんばんわ。
          またスゴい人が登場ですね…まさかBrittenでここまでコメントを頂けるとは思ってませんでした。恥ずかしながらDVDを見たことは無いのですが、当時の雑誌は保管してるので、take4さんの姿が写っているのかも? 
          世界最速の・・・これも大好きな映画!! 確か劇場パンフでBritten氏の事にも触れられてましたよ。バイク制作者が関係者とは知りませんでした。
          しかし現代市販車、MotoGPふくめて、ルックス&エンジニアリングで未だBrittenV1000を超えるセクシーなバイクが生まれて来ないのは何故なんでしょうね。

          BRITTEN FANさん、まだまだ隠れファンが潜んでいると思いますよ~。
          いつかお二人の色々なお宝を肴に井戸端会議できたら良いですね。

          というか、お二人さま、Brittenのブログを作ってお宝自慢してくれませんか?(笑)

          • impersさん、BRITTEN FANさん、こんばんは。

            ブリッテンの話ができてうれしいです。以前、バイク仲間にビデオを見せたら自分の映っているところを散々笑われただけで、誰も興味を持ってくれませんでした。

            私のブリッテン暦は結構長いです。
            大学2年のちょうど中免を取ろうとしていた時に買ったモーターサイクリスト誌に、ブリッテンがはじめて参戦したデイトナの記事が載っていたのを見たのが最初です。ギャリー・グドフェロー+まるっきりオリジナルと紹介されていて、自分で全部作ってすごいなあとは思いましたが、その後の素晴らしい活躍は想像できませんでしたね。
            その後、たまたま購読を始めたバイカーズステーション誌にデイトナBOTTの記事が多くてブリッテンへの関心が増し、卒業旅行で参加したクラブマン・デイトナツアーであの素晴らしいデザインのマシンのデビューレースに立ち会えました。
            そして、何年もたってから皆さんご存知のライダースクラブ誌の特集でビデオが出ていることを知り、購入してみたら自分が映ってるじゃないかとびっくりした次第です。

            ちなみに、雑誌の記事の写真にも数点自分が写ってますが、そちらは小さいので本人じゃないと分からないかもしれないですね。
            私は愛知県在住です。

        • impers さま、take4さま

          こんなに話を引っ張ってしまってスイマセン。

          ブリッテンのONE MAN’S DREAMのDVDはこちらで購入可能です↓
          http://www.brittendvd.co.nz/

          それと、ブリッテン氏がレストアした”INDIAN”は、現在、NZ在住の日本人の方が所有してらっしゃいます。↓
          http://blogs.yahoo.co.jp/pspknzjp/3168848.html

          ついでに、私の知り合いのNZ人(静岡在住)が、ずいぶん昔に
          ”俺の故郷(インヴァーカギル)に撮影隊がやってきて、映画撮ってるんだ”
          と教えてくれたことがありました。これが、ジョン マンロー氏と彼のインディアンを知るきっかけとなりました。

          話したいことは際限なくありますが・・・うーむ、どうしたものか?

          • 申し訳ありません。バート マンローがジョンになってました・・・。

  3. ついでに、elfモトも取り上げて~。

    • elfシリーズ、活躍をリアルタイムに知らない世代なんですよ~。

      だからボル爺さん、たのんます!

  4. あ、熱いこのブログ…。
    道理で物凄い食いつきでしたね。

    こんなバイクがあるなんて知らなかったです。すげぇってならない男の子はいないでしょう。
    まさにクレイジーキュウイ。

    興味のない事に目が向くって凄いことです。いつも勉強になります。

    • 好奇心は心の糧やで~!

      ちなみにこのバイク、フライング・キウィと揶揄されておりました(笑)

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